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オピニオン「多様性を認めるのが中道の精神・アジアの自由と民主主義について」

2026年3月12日に、中華人民共和国の全国人民代表大会(全人代・国会に当たる)は、「民族団結進歩促進法」を可決いたしました。この法律は、中国国内に公式に求められただけでも56存在する民族を統合し、「中華民族(事実上の漢民族)」とするものです。

中国内の少数民族は、それぞれの文化、伝統、言語を奪われ、中国国外の組織や個人に対しても、各民族の人権や自決権を擁護する活動を行えば、法的責任を追求できるとされています。

この法律が、7月1日に施行されることによって、アジアの自由と民主主義にどのような影響が及ぼされるのか考えるセミナーが、令和8年5月27日(水)、参議院議員会館特別会議室にて開催されました。

基調講演では、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の兄の長男(甥)であり、チベット亡命政府の元国会議員で、現在は亡命先の台湾を中心にチベットの人権問題や民族自決権のために活動している、ケドゥプ・トゥンドック(Khedroup Thundup)氏が、この法律の危険性と、アジアの自由と民主主義を守るために日本が何をすべきか、語られました。

ケドゥプ氏は、「この法律は多様性を否定するもの」と非難し、チベットのアイデンティティーや文化の排除を行おうとしていると指摘されました。

日本からは、現職・元職を含めて多くの国会議員が参加し、コーディネーターをペマ・ギャルポ氏(世界連邦日本仏教徒協議会相談役)が務められました。


私 水谷栄寛も、世連仏理事長の立場でゲストスピーカーとして参加してまいりました。


現在、アメリカがイランに対して軍事力による介入を行なったことで、世界中の国民生活に影響が出ております。

同じく、レアアースやレアメタルなどの資源外交を行う中国により、世界経済が左右されています。

米中の二大国が自国の利益最優先に行動しており、世界中がその迷惑を被っている状況です。

中国について言えば、今ですら、宗教は国家によって管理され、民衆の心の拠り所になっているとは言い難いものがあります。今回の新法が、民族独自の活動を規制できる根拠になれば、少数民族の文化・伝統・習慣が失われることになりかねません。

漢民族が中国の人口の9割を占めると言われますが、多数者だからと言って、多数の力で、少数の人たちに、なんでも押し付けて良いものでしょうか?

仏教は、中道を大切にします。中道とは、多様性を認め、人それぞれが、求める幸福へ辿り着く道のことです。

何もかもを一緒にして、その平均をとることが中道ではありません。その考えであれば、多数者のゆく道に少数者が合流することが中道になってしまいますが、少数者は、少数者の求める幸福への道を進めることが、中道の考えです。

私は仏教者として、彼ら少数の人々に寄り添うことを大切にするべきと考えます。

また、仏教者の立場として、チベット亡命政府のダライ・ラマ14世法王が、2026年には91歳を迎えられる中、後継者問題について、無宗教者である中国政府が干渉を及ぼすことにも違和感を感じざるを得ません。チベットの選択は、チベット民族によって行われるべきです。

少数民族は経済的にも困難な状況にある人々が少なくありません。

我々世界連邦日本仏教徒協議会は、世界連邦という理想のもと、国境による分断を取り去る一方で、多様な価値観が認められる世界を目指しています。

少数者や貧困に苦しむ方々に寄り添い、傍に立つことは、その理想のために不可欠です。

また、彼らが抑圧されようとしている現実が、あまり知られていないことも問題です。

このような現状は、一人でも多くの人に知っていただくべきと考え、微力ながら情報発信を継続して行なってまいります。

今回のセミナーに、報道関係者の姿が少なかったのは残念です。

ケドゥプ・トゥンドック氏(右)と筆者
ケドゥプ・トゥンドック氏(右)と筆者

 
 
 

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