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「大事なことは何度でもいう」ということ
生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗(くら)く
死に死に死に死にて死の終わりに冥(くら)し
『秘蔵宝鑰』
お大師様の名文の中でも、有名さではトップクラスの、このお言葉。
ふつうに書くのでしたら、「生の始めに暗く、死の終わりに冥し」となるでしょう(それでも名文ですが)
「人は生まれてから死ぬまで、無明の中にいる(何も知らない・わからない)」
でも、それだけでは足りない。
「生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く」
「死に死に死に死にて死の終わりに冥し」
生と死が4回も繰り返されて、まさに真っ暗、漆黒の闇であることが、読む人の心に叩きつけられてきます。
一回言ったからわかるだろう、ではなく、大切なことは何度でも何度でも言い続ける。そんなことを思うのです。
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